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―他人効―
―他人効―
代理の本質は、他人の行為の効果が本人に帰属するということである(これを他人効という)。 この他人効が成立する理論的根拠については、顕名説と代理権説が対立している。 1.顕名説 代理が成立するのは、代理人が顕名を行なうからであるという考え方。顕名は代理人が本人のために行動するという意思の表示であり、その顕名の効果として他人効が発生するという考え方である。 2.代理権説 代理が成立するのは、代理権が存在するからであるという考え方。法定代理では代理権は法律によって発生し、任意代理では本人が代理人に代理権を授与する。こうした代理権が存在するため、他人効が発生するという考え方である。 この代理権説に立つとき、顕名は代理の本質的要素ではないことになる。また代理権説に立つとき、任意代理の成立根拠は代理権授与行為であるとされる。