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―親権者―
―親権者―
親が成年に達しない子を保護し監督することを「親権」という。 親は、子が未成年者である間は、民法の規定により「親権者」とされる(民法818条)。 親権者には次の2つの強い権限がある(民法824条)。 1.子の財産を管理する権限 2.子の法律行為を代理する権限 この親権は原則として父母が共同して行なうこととされている(民法818条3項)。 ただし父母のどちらか一方が、共同であると偽って親権を行使した場合には、そのことを知らなかった第三者については、その親権の行使は父母の共同であったものとみなされる(民法第825条)。 例えば、未成年者が賃貸借契約を締結するにあたって、母が父に事情を知らせないまま、母がこの契約締結について父母共同の同意を与えたとする。 この場合、本来ならば父母が実際に共同で同意を与えない限り、その契約は取消しが可能なものとなるはずである。 しかし上記の民法第825条によって、母の同意が父母共同の同意であるとみなされるので、その結果、事情を知らなかった契約の相手方(即ち善意の貸主)は保護されることとなる。 なお死別等により親権を行なう親がいないとき(または親が親権を喪失したとき等)については、親権者の遺言または家庭裁判所の選任により、未成年後見人が置かれる。